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2007年10月18日の記事のリスト

「まだ一週間ある」と「もう一週間しかない」

2007年10月18日 (木) 20 : 41
今週末の土曜日で、とうとう、アクセサリを置いていただいている千駄ヶ谷のVIVRE順さんが、店じまいとなる。
先週の土曜日にお伺いした時に、なんとなくがらんどうになっているアクセサリの売り場を見て、「あんなに追加で納品したのに、けっこう品薄って感じですね~」とお話したら、そうなのよ~、とおっしゃる。なんとな~~~く、追加商品を持ってきて欲しそうなニュアンス。

「あと一週間だけどね。」
そう云いながらも、順子さんは、店に置くお洋服なんかもまだ買い付けに走っている、と言っていた。
土日にそういった仕入れに走り、平日も店が始まる前に仕入れに走り、今日仕入れてきたお洋服が今日売れる、そんな感じで、大忙しなのだそうで。
閉店するんだから、品物を残してもしょうがないんだけど、やはり遠方からわざわざいらっしゃるお客様のことを思うと、すかすかになったお店に来て貰って、残り物から選んでいただくというのが忍びないらしい。
(「VIVRE順」は、そういう、わざわざ遠方からやってくるリピーターさんばかりなのである)

私は先週の土曜日にお伺いする前には、「もうあと一週間だしな~」ということで、気持ち的にはすっかり「引き上げる準備」みたいな気持ちだったんだけど、順子さんの話を聞いているうちに、売れる売れないはともかく、がらんどうのアクセサリ売り場を最後に華やかに飾りたくなり、急遽土日にかけてアクセサリを作成、先日の月曜日に追加で10点、納品してきた。

ネックレス6点、ブレスレット4点。
最後の「ご奉仕価格」で、目玉商品満載。
VIVIRE順さんにいらっしゃるお客様には、それは伝わるかどうかはわからないけれど。

一年間お世話になったけれど、「特にイシ好きというわけではない層」を、イシ好きに啓蒙するまでには、なかなか至らなかったようにも思う。
(一般の、イシを知らない、というか、「よく出回っている天然石の代表的なもの」以外にはそれほど石の名前など知らない層には、「チャロアイト」よりも、「オニキス」や「赤瑪瑙」などのほうが、ウケが良かったりするのだ。)
このへんは、今後の課題かもしれないな、とも思うけれど、「それを、私がやる必要があるか?」という点は、微妙でもある。
「昨日まで石のことなんかなんも知らなかったヒトを、石好きにする」ことが、「私のやりたいこと」かと言われれば、別にそんなことはやりたいことではない。


そんなわけで、15日の夕刻に納品に行ってきたわけだけど、その時に、「私が初めて飛び込み営業で「アクセサリを置いていただけませんか?」とお店に足を踏み入れた日」に、お客様として店内いらっしゃった女性が、偶然、来店していた。
常連のお客様らしく、本当はその後何度かお会いしていてもぜんぜんおかしくなかったはずなのに、この一年のあいだに、そういえば一度もその後会うことはなかった、、ということに気がついた。
最後の、VIVRE順での「服選び」をしにいらしたそうな。


私があの初めて足を踏み入れた日に、どさっと持っていったアクセサリをどれどれ、と、順子さんとそのお客様があれこれ物色していた姿が、フラッシュバックのように蘇る。
どきどきしながら、彼女たちの評価を待っていた私。
あれから、一年。

あの時と同じように、順子さんと、そのお客様は、どれどれ、と私が「最後の納品分」として持ってきたアクセサリを手に取り眺める。
「私はこういうのはしないのよね~」
と、そのお客様は、一年前とまったく同じ台詞をおっしゃっていた。
ちょっと、笑うしかなかった。

「土曜日でおしまいなのに、持ってきたの~?」と、そのお客様は驚いていた。
私はすかさず、「ええ。“まだ”5日ありますから。」と、応えた。
「困っちゃうわよね~、やめられちゃうと。やめる順子さんはいいけど、それで困っちゃう客の都合は考えてないもんね~」と、笑いながら、おっしゃっていた。
確かに、順子さんのお店のお客様方は、みなさん路頭に迷うようになるだろう。閉店することを告げると、みなさん一様に「これからどこで服を買えばいいのか」順子さんに泣きつくように尋ねる方が多いらしいので。
順子さんも、自分の人生の中で、今がいちばんモテモテ、とおっしゃっていた。
自分が店をやめることで、こんなにお客様に引き止められるとは、まったく想像していなかったのだそうだ。


彼女は、順子さんのお店を出る時、少し目が潤んでいた。
わざわざ、いつも渋谷からタクシーで来る方らしい。
洋服好きで、独特のスタイルを持ったオトナのお洒落な年齢不詳型の女性。


最初と最後に、会うなんてなぁ。


こういう「偶然」は、無意味なものではない。
天からのこのギフトに、私は、心があらたまる思いがした。


「初心を忘れるなよ。」ということなのだろう。
驕り高ぶるな、と。
人間、続けていることが順調に続いている間に、どこか、最初の頃にいだいていたはずの、感激やら感謝やらの新鮮な気持ちを、ついどこかに置き忘れてきてしまう。「慣れ」というものが、そうさせる。
自分はそうなっていたかもしれないな、と思った。


気に入ってくれるヒトなんて、いるんだろうか。
果たして「売り物」としてのクォリティなんて、本当にあるんだろうか。
そんなふうに思いながら、おっかなびっくり、値札をつけて、納品して。
「売れたわよ~」と、順子さんからの知らせをいただいて。
本当に嬉しかった。
あの頃の、気持ち。


先週の土曜日に、「もう一週間しかない」から、「まだ一週間ある」へと、気持ちをシフトさせられたのは、今日納品に来てここで彼女に会い、この「初心忘るべからず」に気付かされるためだったんだな・・・と、しみじみ思った。


一般的にも、いわゆる「ポジティブ志向」的な考え方に、
「もう○○しかない」と「まだ○○がある」のベクトルの差、みたいなものがあるけれど、この○○の中身そのものは同じなんだけど、思い方の違いで、その後にとる「行動が変わってくる」というのは確かに事実だろう。
だから、結果が変わってくる。
ごく当たり前の話ではある。


もし、私が「もうあと一週間だし、月曜日に納品したって、正味5営業日だし、そんないくらも売れるわけでもないし、面倒くさいな。」と、思っていれば、この展開はなかったんだな・・・ と、思うと、やっぱり「やれるところまで、すべてやる、やり残さない」の心意気ってものは、大事なんだな~・・・、と、これまた、しみじみ感じた次第。


最近、「今後どうしていくか。何をやっていくか。」ということを、よく考える。
とりとめがなくなるので、また、それについては、日をあらためて。


てなわけで、
「千駄ヶ谷VIVRE順」さんは、10月20日(土)に閉店します。
千駄ヶ谷鳩森八幡神社の目の前ですので、お近くにお越しの際は(・・・っていう立地ではありませんが^^)お立ち寄りくださいませ。
「残り物」ってわけじゃない、生まれたての石アクセがお待ちしております。
ご縁があれば、ぜひどうぞ。


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カテゴリ :  ちょっとスピリチュアルな話
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